2023-07-29

意外と僕は社会不適合者ではなかったのかもしれない

PV
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僕は大学入学以降、とにかくだらけた。怠け者だった。文系学部にもかかわらず大学1年の初っ端から2年への進級条件である30単位の取得ができずに留年した。
単位が取れなかった理由は唯一つ。朝起きるのがだるくて今日は大学に行かなくていいやってのが何度も、というかほとんど毎日、そんな毎日だったからだ。
朝起きるのが、と書いたが、睡眠から目覚めるのがと言ったほうが正しいかもしれない。起きる時間が朝であれ、昼であれ、夕方であれだるかった。とにかく睡眠からの起床という流れが非常に苦手だったのだ。

そうやっていくうちに単位も落とし、自己肯定感も下がり、やる気がなくなっていったのである。だるい。とにかくだるい。2回目の大学1年は進級条件の最低限の単位である8単位を前期に取得し、後期は一度も大学に行かなかった。
大学2年もこの調子で行くと大学卒業までに何年かかるか分からない。というか大学卒業できるかさえ分からない。多分大卒の資格は取れないんだろうなーなんてん、そんな不安な気持ちをどこか心の隅に置きながらも、そんな現実からは目を背け、好きなときに寝て好きなときに起きて好きなときに遊んでみたいな宇宙の片隅にあるゴミクズのような生活を続けていた。
僕は社会不適合者なのだと自分に烙印を押した。夜型の人間は朝型には努力してもなれないなんて話も聞いた。お先真っ暗人生の烙印でもあったのだ。

そんなとき、そんな大学2年が始まる直前の2020年初旬頃だっただろうか。某ウイルスが日本でも大きな話題となり、大学の授業が完全リモートになった。
するとどうだろうか。単位の取得が圧倒的に簡単になった。なぜならオンタイムの授業がほとんどなくなり、講義を受講したのち課題を提出するパターンの授業が多かったからだ。もちろんリアルタイムオンラインで開講される講義もあったにはあったが、その参加難易度は圧倒的に確実に衝撃的に劇的に下がった。
僕のようなだらけ人間にとっては神のようなシステムだった。夜中に講義を受けても良いのである。朝方でも夕方でも昼時でもいつでもいいのだ。
元来真面目な部分もある僕だから、やるとなればしっかり課題はこなす。これにより僕は信じられないくらいのGPAを叩き出し、単位もほとんど取得することができた。
こうして大学2年はなんの問題もなくストレートに進級することができた。そして大学3年も基本的にはオンラインでの講義開催が告知され、僕は歓喜した。
大学3年も難なく単位を取得し、余裕を持って大学4年への進学を決めた。その間に特に苦労はなかったと思う。
大学4年ではオフラインでの開講がほとんどとなり、起床できずに授業へ行けないといったことが頻繁に起こったものの、取得しなければいけない単位自体が少なかったため、なんとか卒業を決めることができた。

ところで、僕は大学3年時に早々に就職活動を終えていた。ここまでの話を聞くと就活も大したところへ行けなそうな大学生活のように感じるが、僕は元来真面目で計画的な人間なのだ。ただ単に朝起きるのが苦手で単位を落としてしまっていただけで、就活への準備は着々と、それも1回目の大学1年のときから始めていた。手始めにビジネス職の長期インターンに参加し、Webメディアのディレクターのようなものをやっていた。そこでエンジニアという職業と出会い、文系ながらにもエンジニアに憧れを持つ。そしてそこからは独学でプログラミングの学習を進め、自分で簡単なアプリケーションを作れるようになったくらいでエンジニアの長期インターンを始めた。そこから就活用の制作物を作成し、メガベンチャーでの短期インターンにも合格し、長期インターンでのエンジニア実務経験、レベルの高い成果物、メガベンチャーでの短期インターン経験という3つの武器を引っ提げ、高学歴理系大学院生たちと戦い、なんとか誰もが超大手Web起業への内定を、しかも複数社勝ち取ったのである。

こうして卒業と就職先を決めた僕であったが、僕の中には僕自身で僕に押した「社会不適合者」という烙印が脳裏を常によぎっていた。就職しても朝、決まった時間に起床できるのだろうか。夜になったらちゃんと眠れるのだろうか。そんな不安が入社式前日まで僕の中の脳みそを侵食していた。

しかしどうだろう。入社して約4ヶ月が過ぎた。僕は一度も遅刻をしていない。僕は夜ちゃんと眠れている。朝はちゃんと起きている。たしかに早い時間ではないしギリギリまで寝ている。しかし定時刻にはちゃんと僕はそこに、居なければ居ない場所に居るのだ。
僕は社会不適合者ではなかったのかもしれない。僕は社会不適合者ではなかったのかもしれない。意外と。最初のうちは本当に不安でいっぱいだったはずが今は当たり前のように朝起きている。ふとそういえばずっと不安になっていたな。と感じたので今日は大学から今現在までの僕を振り返ってみた。もちろん、ずっとは続かないかもしれない。いつか破綻するかもしれない。しかし4ヶ月もちゃんとしているという現実、今がとても清々しい。嬉しい。この体験は忘れたくない。明日も明後日も明明後日も僕は地に足をつけて僕ができる80点を僕なりに頑張って出していけばいい。偉い。よく頑張っているよと時々褒めつつ。